色漆の研究　第５報　色漆塗膜のカーボンアーク灯光照による色変化試験

35種類の色漆塗膜にカーボン・アーク灯光を40,100,500時間照射し，その分光反射率，変換HVC値，Lab値，系統色名を記録し，色漆乾燥当初，40,50,100時間照射後の色変化を分光反射率曲線の変動化，・HVC値，・E（Lab)値によって求めた。　また，照射による色漆の発色については，顔料色と色漆当初の色彩，および顔料色と色漆100,500時間照射後の色彩の３種類のGodlove指数〔1〕6）により，検討した。　その結果，カーボン・アーク灯光による促進発色の基準時間は，100時間が妥当であると判断された。この場合の色漆の漆工発色性は，Godlove指数を層別して，次の４段階に評価できる。各等級の度数は次のとおり。A級（≦5）：B級（≦10）：14，C級（≦15）：2，D級（＜15）：1。　等級に対応するこの度数分布は，乾燥当初の色漆のそれと比較して，全体として大巾に上位等級度数が多くなっており，明らかに照射の発色効果が認められた。