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彩漆試験報告
三山喜三郎
1908

レーキ顔料の試験報告

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ウルシオール中の色素並びにこれを利用せるウルシオールの定量法
三山喜三郎
1911

1.ウルシオル中には,自ら指示薬たるへき一種の色素を含有する2.ウルシオル溶液に重土水を加えれば,著しく緑色沈殿を生じ緑色沈殿完了の後,更に重土水を加えれば液色自ら紅色を呈するを以て,沈殿の終局を観測してウルシオルを定量するを得る3.緑色沈殿の終局はウルシオル一瓦に対し重土水標準液20.7ccを加えたるの時にして上澄み液の自ら微紅色に変する時期と一致する4.ウルシオル溶液に過剰の重土水を加えれば液色紅色となり数時間の後少量の肉食沈殿を生成する5.ウルシオルの滴定にフェノルフタリンを指示薬とする代わりに緑色沈殿の終局の期を観察すれば滴定簡易にして且つ正確なり

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The Structural Identification of the O;efinic Components of Japanese Lac Urushiol
S.V. Sunthankar and Charles R. Dawson
1954

The heteroolefinic composition of urushiol, the vesicant principle of Japanese lac, has been confirmed. By means of chromatography on alumina the dimethyl ether has been separated intio four components whose structures have been established. All of the components of urushiol have the carbon skeleton of 3-pentadecylcatechol. A monoolefin, diolefin and triolefin account for about 95% of the urushiol. The fourth component has the saturated side chain. The structueres of the die- and triolefinic components have been found to be different from those proposed earlier by Majima.The major difference between the alkenyl catechols of Japanese lac and poison ivy is found in the triolefinic components. The lac triolefin, which constitutes about 50% of urushiol, possesses a conjugated diene system. The corresponding triolefin of poison ivy has no conjugation.

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漆関連物質の合成
桑田勉・熊野谿従・風間清治
1961

天然漆の増量剤として用いうるウルシオール関連物質を合成する目的で、カテコール核に長鎖不飽和基を付加する反応について検討した。反応生成物は天然漆に混合して塗布し、塗膜の常温における乾燥性からラッカーゼに対する活性を調べた。また結果のよいものについては、天然漆10部に対し、6部の割合で加え、そのすぐろめ化物の常温乾燥膜の物性を「ねじり振動法」によって測定し、増量剤として天然漆に加えた場合の漆膜特性に及ぼす影響を調べた。活性白土を触媒とするカテコールと、アマニ油脂肪酸の付加反応では、脂肪酸の重合による二重結合の減少が著しかったが、付加物のアリルエステルは増量剤としてよい結果を与えた。プロトカテキュ酸またはホモプロテカテキュ酸とアマニ油アルコールとのエステル、およびプロトカテキュ酸-アマニ油脂肪酸混酸基グリセリドは、高温無触媒反応で二重結合の減少がほとんどなく、高収率で得られ、増量剤として極めてすぐれたものであることが確認された。

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漆に関する研究 (第1報) ビルマ産漆と日本産漆の比較
小田圭昭・石田太一・本田幸一郎
1962

(1)ビルマ産漆、日本産漆よりラッカーゼを分離し、その最適pH、基質特異性を比較した。最適pHはビルマ産ラッカーゼはpH4.5、日本産ラッカーゼはpH6.5と異なっているが、基質特異性には大きな差はなかった。   (2)ビルマ産漆、日本産漆のアセトン粉末の量、ラッカーゼ活性、窒素含有を比較した。ビルマ産漆のアセトン粉末の含量は日本産漆の約1/2、ラッカーゼ活性は約1/5、窒素含量は約2倍であった。   (3)供試生漆より分離したチチオール、ウルシオールを接触還元した場合の水素吸収量を比較し、チチオールはウルシオールの約1/2であることを認めた。   (4)ビルマ産漆に日本産漆、ビルマ産漆より分離したアセトン粉末、加熱アセトン粉末及びラッカーゼ溶液を加え、乾燥性に及ぼす影響をしらべ、ビルマ産漆の乾燥のおそいのは主としてラッカーゼ活性の低いことによるが、アセトン粉末の量の少ないことも乾燥性に相当の影響を与えていることを認めた。しかし、フェノール性成分の差違による影響はほとんど認められなかった。

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漆に関する研究 (第2報)漆ガム質について(その1)
小田圭昭・神戸保・本田幸一郎
1963

(1)日本産、ビルマ産両漆よりそれぞれ粗ガム質を分離し、その完全酸加水分解物のイオン交換クロマトグラフィーを行い、糖成分の検索を行った。日本産漆ガム質からガラクトース、アラビノース、キシロース、ラムノース、ガラクチュロン酸、グルキュロン酸を検出した。ビルマ産漆ガム質からはガラクトース、アラビノース、キシロース、ラムノースを検出したが、ウロン酸は認めることができなかった。両粗ガム質ともアミノ糖の存在が認められた。   (2)日本産漆粗ガム質のアルコール分割を行い、A、B、C、Dの4分割を得た。そのうち電気泳動的に比較的均一と思われる分割BをさらにFehling液を用いて分割し、Fehling液溶性割分Bsを得る。Bsは電気泳動的に均一と考えられる。   (3)分割Bsの完全酸加水分解物について糖成分の検索、定量を行い、ガラクトース41.2%、ガラクチュロン酸40%、グルキュロン酸7%から成ることを認めた。なお他に0.27%の窒素が含まれているが、少なくともその一部はアミノ糖であろうと考えられる。

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漆に関する研究 (第3報) 漆ガム質について(その2)グルキュロン酸の確認
小田圭昭・田中竜太郎・本田幸一郎
1963

(1)グルキュロン酸とガラクチュロン酸を水素化硼素ナトリウムで還元した。前者からはソルビドールを得たが、後者からはガラクトン酸と考えられる物質の生成は認められたが、ダルシトールの生成は見られなかった。   (2)漆粗ガム質より分離精製して得た、電気泳動的に均一な一多糖類-Bs分画-の加水分解物から分離したウロン酸成分及び粗ガム質の加水分解物について、それぞれ水素化硼素ナトリウム還元を行い、還元生成物のイオン交換クロマトグラフィーによる検索を試みた。ソルビトールの存在は確認することはできたが、マンニトールは認めることができなかった。このことから漆ガム質中にはグルキュロン酸が存在し、マンニュロン酸は含まれていないことを推定した。

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漆に関する研究 (第4報)漆ガム質について(その3)部分加水分解生成物について
小田圭昭・神戸保・本田幸一郎
1964

(1)日本産漆の粗ガム質を精製して得た、電気泳動的に均一な一多糖類、Bs分画を部分加水分解し、イオン交換クロマトグラフィーで生成物の検索を行い、ガラクトース、グルキュロン酸及び三種の酸性少糖類の存在を認めた。   (2)Bs分画の部分加水分解生成物をイオン交換クロマトグラフィーに付して得た三種の酸性少糖類中、最も量の多い分画である分画Cを集め、水素化硼素ナトリウムによる還元生成物の検索、過ヨウ素酸酸化における過ヨウ素酸消費量、ギ酸、ホルムアルデヒドの生成量の測定、ならびに酸化生成物の検索の結果から、その構造を推定した。   (3)以上の結果に基づき、Bs分画の構造を推論した。

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漆ラッカーゼについて
七字三郎・佐伯淑身
1965

漆の乾燥被膜化にはその生漆中に含有する酸化酵素(Rhus-Laccase)が必須的に関与するのであるが、その酵素ラッカーゼについての実態および酵素特性、作用メカニズムなどについて既往の学説などを紹介した。これに対し、このような酵素ラッカーゼを人為的に微生物から生産することを主目的として、微生物の検索、培養による酵素の生成、培養液からの酵素標品の生産(分離、精製)、当酵素の単一純化と酵素特性にまでわたる著者の研究の概要を解説した。またその量産的生産の可能性をも明示した。かつこの酵素の漆またはウルシオール同族体への作用効果は確かめられた。

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漆塗膜の劣化
登石健三・見城敏子
1967

漆膜に紫外線照射し、赤外線吸収スペクトル変化及び重量の変化の研究をした。その結果、紫外線照射するとα、βジケトンの吸収が増加し、メチル基、メチレン鎖、Peroxide、水酸基が減少する。このことは塗膜の紫外線照射による劣化の機構はキリ油の自動酸化反応の場合ににており、共役二重結合部位において、重合または酸化分解反応が起こり、α、βジケトンを生成し、さらに一部は重量損失から低分子化合物に変化して揮散すると考えられる。

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赤外線吸収スペクトルによる漆塗膜の鑑別法
達家清明
1967

ウルシオールを主成分とする精製漆8種、製品3種、荏油及びカシュー核液を原料としたと云われるカシュー塗料(合成漆塗料)6種について赤外線吸収スペクトルを測定した。それぞれの試料について自然乾燥フィルムのスペクトルの経時変化、熱処理条件の違いによるスペクトルの差なども調べた。カシュー塗料の中には漆とよく似たスペクトルを示すものもあるが、詳細に比較すればその区別は出来る。これらについては補償スペクトルも測定した。特に著しい相違を示す吸収としては、漆の1465-1440cm-1、990cm-1及びカシュー塗料の1465cm-1、1440cm-1、975cm-1があげられる。

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漆膜の示差熱分析
佐藤誠
1969

漆は、古くから東洋独自の塗料として用いられ、その美観と耐久性においては勿論、実用的に優れた性質を持っていることは広く一般に認められてきた。しかし天然高分子化合物として、その実用的に優れている性質が何によるものかはあまりはっきりしていない。今皮膜の性質を検討する1つの方法として示差熱分析に熱天ビンを併用し、漆並びに市販合成漆塗料の加熱時における温度の上昇にともなう変化の状態を観察し、併せて発熱量の測定を行ったのでそれらについての報告をする。

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Studies of Japanese Lacquer;Coupling Reaction between 4-tert-Butyl-o-benzoquinone and Methyl Linoleate.
T.Kato, Y.Yokoo, T.Taniai, J.Kumanotani
1969

This is the first report on the dehydrogenation-coupling reaction of an o-quinoid with a 1,4-diolefinic compound. The reaction of 4-t-butyl-o-quinone and methyl linoleate has been studied, and the product which has a 1-(2'-hydroxy-4'(or 5')-t-butylphenoxy)-2,4-pentadienyl structure has been separated and identified.

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南方産漆液のセスキテルペン
佐藤誠
1970

南方産漆液(Melanorrhoea Usitata Wall.)から2種のセスキテルペンとアズレンを分離した。それらは機器分析により1つは七員環の部分構造を持ち、四置換二量結合とそれに共役した三員環をもつもので、これはαーGuijuneneと、また他の1つのものもNMR,I.R.のスペクトルとそれぞれ一致した。さらにアズレン成分はS-グアイアズレンであることがわかった。

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琉球漆塗膜に及ぼす顔料および紫外線吸収剤の研究
萩原彪
1971

琉球漆の特徴は、下地に豚血を使用、との粉をキリ油、光明丹と共に練り上げるわけだが、その接着性は驚くほど強い。この上に着色漆液を上塗りして各試験を行ったが、漆液自体が茶褐色のため、鮮明な有彩色を現在まで出すことが出来ず、また彩度の落ちる無機系顔料のみが使用されてきた。今回は有機系顔料を、その構造式を中心に追究した結果   1)漆用、色の鮮明な有機系顔料を多種類見つけることが出来たが、ベンジジン系及びハンザ系不溶性アゾ顔料は不適であった。   2)耐光性に、影響のあるのは日光中の紫外線だといわれているが、今回の実験を通して紫外線以外のものが原因している。   3)紫外線吸収剤としては、サリチル酸フェニルが、特にレーキ顔料に対して効果があった。

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トリエタノールアミンと鉄(III)を用いるウルシオールの新吸光光度定量法
鈴木盛久
1972

ウルシオールの吸光光度定量法はまだ報告されていない。しかし、エチルアルコール中において、過剰のトリエタノールアミン(以下TEAと略記)の存在で生成するとみられるTEA-鉄(III)-ウルシオールキレートは安定な青緑色を呈する。そこで、この性質を利用してTEA緩衝液中でウルシオールを定量するための基礎的条件を検討した。この場合のウルシオールキレートは445nm及び625nm付近に吸収極大があり、この両吸収極大においてもウルシオールと鉄(III)については1:1のモル比で反応しているものと推定された。ウルシオール溶液5mlに試験緩衝液4mlを加え、これをエチルアルコールで10mlとし、20℃における吸光度を625nmで求める。うるしおーる1000ugまでベールの法則に従い、見せかけの分子吸光係数は1750であった。また、吸光度は12時間過ぎまで変化しなかった。この新法は簡単、迅速正確であり、漆液中の水分、糖類、有機酸、およびオイルの影響がまったくない。そこでこの方法を生漆中のウルシオールの定量に応用し、変動係数0.4%のよい結果を得た。

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漆塗膜に関する研究(第3報)漆塗膜の硬化および劣化過程の赤外吸収スペクトル変化および漆工品保存に関する考察
見城敏子
1973

漆の初期重合過程においてウルシオールがラッカーゼの作用でまずウルシオールキノンに変化するが、生成したウルシオールキノンが極めて反応性に富むので、共存するウルシオールと反応して二量体を生成することが明らかにされているが、それ以後の重合過程は明らかでない点が多い。本研究はポリエチレンサンドイッチ法により、種々の湿度下における漆塗膜の赤外線吸収スペクトルの変化を測定し、側鎖の酸化重合が起こる前に、ウルシオール二量体とウルシオールキノンとの高次重合体が生成することを示し、この過程が漆塗膜独特の硬化段階であることを明らかにした。また酸素不足の場合の塗膜の重合状態および紫外線による漆塗膜の劣化における湿度の影響を検討した。これらの結果から漆塗膜の硬化並びに劣化が高湿度で促進されることが明らかになった。

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漆塗膜に関する研究(第4報)漆塗膜の硬化に及ぼす電解質の影響
見城敏子
1975

漆の硬化に及ぼす電解質の影響を知るために,塩化ナトリウム,塩酸,硫酸,リン酸,シュウ酸,酢酸,炭酸ナトリウムを種々の濃度で漆に加えてポリエチレンシート上に塗布し,20±1℃,相対湿度75%±2%の条件下における漆塗膜の乾燥性を塗膜のpH,IRスペクトル,UVスペクトルを測定して検討し,以下の結果を得た。   (1)得られた各塗膜のIRスペクトルから993cm‐1(共役トリエン)と985cm‐1(共役ジエン)の吸光度比 D993/D985を計算した。漆塗膜はすべてこの吸光度比D993/D985=1.2以上になるとき指触乾燥することを見いだした。従ってD993/D985=1.2の時間t1で漆塗膜の硬化性を議論することが可能であることを知り得た。   (2)炭酸ナトリウムは他の電解質と異なる挙動を示し,9.45m mol/kg漆の添加で塗膜の硬化時間t1は漆単独に比べて1/4に短縮する。   (3)塩酸は漆塗膜の硬化阻止能力が最も強く,6.85m mol/kg漆程度の少量を加えても硬化時間t1は漆単独の場合の14倍も長くなった。   (4)中性の塩化ナトリウムは85.4m mol/kg漆以下の添加量では漆塗膜の硬化時間t1に悪影響はないが,171m mol/kg漆の添加により

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漆塗膜に関する研究(第5報)漆塗膜の硬化に及ぼす不飽和脂肪酸メチルエステルの影響
見城敏子・三原一幸
1976

オレイン酸、リノール酸、リノレン酸のメチルエステルを漆に混入した塗膜の硬化乾燥過程を調べ、次のことがわかった。   (1)硬化乾燥は、漆のみの場合よりも長くなる。その傾向は脂肪酸部の二重結合が増加すると少なく、添加量が2倍になると硬化乾燥は2~3倍になった。   (2)漆のみの硬化乾燥では、1.215㎝‐1に特有の吸収がでるが不飽和脂肪酸のメチルエステルが存在すると、吸収位置が低波数側に移動する。この移動は混入量と関連性があり、移動量(Δn)は、Δn=3.5√・(・=漆中にある不飽和脂肪酸メチルの%)の関係にあることを見いだした。   (3)塗布後の初期にはウルシオール中の―OHが脂肪酸部の>C=Oと水素結合しているが、硬化が進むにしたがって少なくなることを知った。・

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漆塗膜に関する研究(第6報)漆に大豆油,アマニ油,日本産キリ油添加の影響
見城敏子・三原一幸
1976

大豆油、アマニ油、日本産キリ油を漆に混入した塗膜の硬化乾燥中の変化について、さきに報告したオレイン酸、リノール酸、リノレン酸の各メチルエステルのそれと比較検討をし、次のことがわかった。(1)不飽和脂肪酸メチルを混入したときと同様に、カテコールOHと油の>C=O間に水素結合がみられた。(2)油の1,160㎝‐1(>C―O―R)の吸収が、漆との混合で、1,185cm‐1にシフトされるが、大豆油は混入量に関係なく乾燥塗膜にも1,185㎝‐1がある。しかし、アマニ油は10%では1,215㎝‐1,20%→1,160㎝‐1と1,215㎝‐1に同程度の40%では1,160㎝‐1がつよく1,215cm‐1が弱い吸収となり日本産キリ油は10,20%では1,215cm‐1のみ、40%の場合は油の吸収である1,160cm‐1のみであった。(3)不飽和脂肪酸メチルでは混入によって1,185,1,215cm‐1の吸収が低波数側に移動し,特に1,215cm‐1は混入量との間に関連性があったが,油ではこのような現象がなかった。(4)大豆油,アマニ油,日本産キリ油の中では,アマニ油は漆の硬化性,その他の諸性質に影響を与えることなく光沢の増加があった。

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漆塗膜に関する研究(第7報)漆塗膜の硬化に及ぼす油変性アルキド樹脂の影響
見城敏子・三原一幸
1976

漆にヒマシ油,ヤシ油,大豆油,脱水ヒマシ油,サフラワー油,アマニ油等を用いて作った油変性アルキド樹脂を混入した塗膜について研究をし,次のことを知り得た。(1)漆に油変性アルキド樹脂を混入すると著しく乾燥速度は低下するが,不乾性もしくは半乾性油変性のものの方が,乾性油変性のアルキド樹脂よりも乾燥性がよいという特異性を見いだした。(2)油長80%の大豆油変性アルキド樹脂を漆に対し20%混入した塗膜の動的粘弾性E’は,漆のみのものとほぼ同一の物性であったが,他の油変性アルキド樹脂ではいずれも低下した。Tgはいずれの場合も約30℃の低下がみられた。(3)熱分析を,DTA,DTGについて行った結果,漆のみの塗膜では,50,125,280,390℃の4点で発熱,440℃で吸熱がみられた。DTGからは390℃で最も激しい酸化分解が行われる。油変性アルキドじゅしがこんにゅうされると,280℃をピークとする発熱が大で,漆のみの390℃とは異なっている。DTGの結果は420℃前後で激しい酸化分解が生じるが,サフラワー油変性のみは異なった様相を示した。100,145,

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漆塗膜に関する研究(第8報)日本,タイ,ビルマ,台湾産漆の塗膜硬化とその性状について
見城敏子・三原一幸
1976

日本,タイ,ビルマ,台湾産の漆について,その塗膜の硬化性と性状等について検討をし,次のようなことを知り得た。すなわち,(1)含まれている漆状化合物(ウルシオール,チチオール,ラッコール)によって,塗膜硬化にともなうIRスペクトルの変化には大きい差があった。(2)指触乾燥するまでの時間は,IRスペクトル的にみると日本産0.3日,台湾産2日,ビルマ産13日,タイ産15日の順であった。(3)Tgは日本産が105℃,台湾産95℃,タイ産85℃,ビルマ産70℃E’で,tanδは日本産のものが最も良かった。(4)熱分析の結果によれば,日本産のものが耐熱性は最も良く,ついでタイ,台湾,ビルマ産の順であった。しかしこれらはいずれも日本産の漆の中に,油変性アルキド樹脂を20~40%混入したものに類似の性状を示した。

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色漆の研究 第1報 漆器に慣用される漆の色と光沢
山内明・阿佐見徹・三木竹男
1977

この報告は,漆器に慣用される塗漆の色彩と光沢について,測色的・系統的に把握することを目的とした。 試料は,測定のために作成したものではなく,すでに,何らかの目的で標準的な塗漆見本板として存在していたもので,4種のグループからなる35点である。 色彩については,分光々度計によるx.y.Y値と,同値より変換のH.V.Cを求め,この値と視感比色によるH.V.C値の関連性について検討した。また,各試料の色名は,視感H.V.C値を基にして,色研方式の系統色名による分類を試みた。それらのトーンについても,概観した。 光沢については,各試料の60度鏡面反射率を測定し,塗漆仕上げ手法と光沢度との関連性について若干の考察を行った。

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色漆の研究 第2報 漆用顔料の色彩
山内明・阿佐見徹・三木竹男
1977

従来漆用顔料として広く用いられてきた,6社89種の各種顔料を,酢酸ビニール・エマルジョンをバインダーとして,ケント紙に塗布したものを試料とし,分光測色値と,その値から導いたH.V.Cを得,それによる系統色を定めた。 またべつに,同一試料を視感比色してH.V.C値を求め,これと計測値との関連性についても検討した。顔料の計測値によるH.V.Cと視感比色によるH.V.Cの差については,明度尺度において,試料による・Vの値のバラツキが最も少なく,試料の98%が1.1V以下であることがわかった。 市販顔料の色彩分布を見ると,R系顔料が最も多く,次いでB系,G系,Y系がこれに次ぎ,V系顔料は極めて少ない。

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春慶漆の精製法について(第5報)クエン酸添加による透漆の性状(その1)
中西正
1978

中国産漆は、日本産に比べ漆液粘度が高く、かつ透明度が劣るなど透漆として適さない。そこで、中国産漆の精製法について、粘度に関しては撹拌羽根の回転数・角度・厚さの関係を試験した。また、透明度では主として有機酸類の添加剤で追求した。その結果、クエン酸と果汁(レモン)が良好であったので、今回は品質面で安定しているクエン酸を用い、中国産漆の産地別に添加し比較をしてみた。全試料とも添加剤を用いると粘度は、さらに低下し透明度も向上する。しかし、産地によっては乾燥性、光沢減少など塗膜に影響を及ぼすものもある。従って、添加剤(クエン酸)の濃度または添加量を産地の漆により3~5%少なくする調整が必要であった。

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彩色漆の発色性と漆塗膜の強度(その2)
中西正
1978

クエン酸添加による透漆の性状に引続き、有機酸添加による効果を追求した。即ち、添加剤を用いた漆と用いない透漆に顔料をそれぞれ混合し、色漆の適合性を試みた。更にこれら漆塗膜と添加剤別による塗膜の引張り強さの試験を行った。その結果、発色性は添加剤を用いたものは日本産漆と同等の色相を有し、彩色漆として使用できる。また添加剤を用いないものは全試料とも黒味が強く鮮明な色が得られない。一方、透漆塗膜の引張り強さは、果汁(レモン水)・クエン酸を入れると、破壊強度とヤング率が上昇し弾性のある塗膜となった。色漆では、添加剤を用いないものは抗張力とヤング率が高く、ひずみ量が小さいことから強くてもろい面がある。しかし、添加剤を用いるとかなり塗膜自体に弾力性を付与するが、前者に比べ機械的性質は弱くなる。

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堅地塗膜の吸水,吸湿変動について
脇田実・小島政一
1978

塗装による木製品の外気との遮断効果を究明するために、漆塗装製品と合成樹脂塗装製品について、1年間を通じて経時変化を測定した。漆塗装、合成樹脂塗装、ともに吸水性は認められたが、漆塗装製品の吸水量は極めて微量であり、合成樹脂塗装の場合は比較的多い。しかし木製品が変形するまでに至るような吸水量ではなく、外気の関係温度が変動するに伴い、塗装製品の吸水量にも変化が認められた。また漆塗装製品の吸湿性についても、外気の関係温度に順応して、年間を通じ7月に最も多く、4月に最低の吸湿量になるサイクル変動が生じることを確認した。

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漆塗装およびポリウレタン塗装椀の溶出試験
村重素子・寺田晁
1978

市販の漆椀5種類,すなわち黒漆椀2,朱漆椀2,摺漆椀1および赤色ポリウレタン塗装椀2種類について,4%酢酸と氷酢酸による60℃,30分~7時間溶出試験を行ってその耐性を調べた。4%酢酸溶出液中の溶出金属量を原始吸光分析法で,有機物量を過マンガン酸カリウム消費量の測定で時間的に追跡した。ポリウレタン塗装椀よりも漆椀がよい耐性を示し,漆椀の中では朱漆椀よりも黒漆椀の方が強い。酸に弱いシェナで着色した摺漆椀の耐性が小さかったが,しかし,いずれも合成樹脂食器及び容器包装の厚生省規制基準に十分に合格すると見られる結果を示した。60℃の氷酢酸では,漆椀はかなり耐えるが,ポリウレタン塗装椀に対する侵食は大きかった。

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透漆の経時色変化試験(第1報)透漆塗膜の水銀ランプ照射による色変化試験
山内明・阿佐見徹・三木竹男
1978

透漆の代表的品種として,赤呂色漆,梨地漆,消朱合漆を選び,これを白色化粧板上に塗布し,一定期間放置後,Lab値を測色した。次に塗料用退色試験機の水銀ランプ照射時間による,それら塗膜の色変化を,Lab値測色により記録した。 L値の初期値は,赤呂色漆20.7,梨値漆17.9,消朱合漆14.9であった。照射により,いずれの試料もL値が増大し,40~60時間で・L値は,4.0~6.2に達した。その後,照射時間120~160時間までは,・Lが若干増大するが,さらにその後,320時間まで照射を続けても,L値の変化は見られない。 ab色度の初期値は,赤呂色漆(19.5,7.3)梨値漆(16.9,6.1)消朱合漆(13.7,5.7)であり,照射により100時間まではa,b共に増加し,それ以後は,b値はほぼ一定,a値は逆に減少した。 ・Eは,各透漆とも100~120時間が最大となり,以後は,逆に若干減少した。 使用試験機の水銀ランプ照度効果については,照射時間(x)と染色堅ろう度試験用ブルー・スケール各等級標準退色(y)との間に,y=3.322 logx-1.907の関係があることがわかった。

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透漆の経時色変化試験(第2報)透漆塗膜における経時条件と色変化の関係
山内明・阿佐見徹・三木竹男
1978

市販の透漆,3種(赤呂色漆,上消朱合漆,溜漆)について,水銀ランプ照射,室内放置,暗所保存の3条件下における経時色変化を測色色差計によるLab値,分光光度計による分光分布曲線,Yxy値,および変換H.V.C値,視感比色によるH.V.C値により検討した。

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シランカップリング剤による無機顔料の耐酸性表面処理
寺田晁・村重素子
1978

無機顔料を含む漆塗装面からの重金属の溶出を防止するため,無機顔料の耐酸性表面処理方法を検討した。用いた顔料は,市販のカドモポン型硫化水銀カドミウム2種,酸化鉄,紺青,亜鉛華の5種類である。市販のシランカップリング剤7種を用いて上記各顔料を処理し,105℃で2時間キュアさせた。顔料の色相,粘度は未処理物と比べてほとんど劣らず,はっ水性を持つようになって親油性になり,漆との結合もよくなる。希酸として5.9%塩酸,5.5%酢酸で溶出試験した結果,明らかに耐酸性を増していることを認めた。着色料も紺青のわずかな例を除き,ほとんど支障はない。塩基性基を含む処理剤による顔料は漆の乾燥を促進した。漆の塗装試験と,それに続く5.5%酢酸を用いる溶出試験を,硫化水銀カドニウム顔料の一つを用いて60℃で30分間行ったが,未処理,および処理済顔料共に,カドニウムおよび水銀を溶出しないことを認めた。

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春慶漆の製漆改善研究(第6報)輸入漆の塗膜性能と塗装技術
中西正
1979

高級家具に漆をスプレー塗装するには、種々な問題がある。特に漆液は高価格であるため、経済的な採算性や・漆特性・作業環境等があげられる。そこで、価格のもっとも安いベトナム産漆と比較的安い中国産漆を供試材としたが、ベトナム産漆は実験段階で乾燥性と塗膜硬度・光沢面が劣り使用し難いことが解った。従って、中国産漆に調整剤(ダレ防止)をブレンドし、スプレー塗装した。また乾燥方法では、通常乾燥と低湿乾燥で行い、塗装性と塗膜性状を調べた。その結果は、漆粘度25sec、吹付圧力3.5㎏/㎝2、スプレーガン口径1.2㎜が塗じんの飛散が少なく塗装できる。更に漆のダレ止めには、調整剤5%を混合すれば安全であり、粘度や塗膜性状にも影響が少ない。しかし漆の乾燥性は、調整剤の混合により僅かに促進傾向はあるが、低湿乾燥法では乾燥剤をブレンドしない限り、作業性と塗膜性能は期待できないと思われる。

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色漆の研究 第4報 色漆塗膜の乾燥当初の色彩
山内明・阿佐見徹・三木竹男
1979

市販顔料36種を試料として,照射前の分光反射率曲線,Yxy値,変換H.V.C値,視感H.V.C値,系統色名,コード記号を求め,H.V.C値の変換値と視感値の差を検討した。またカーボンアーク灯光60,100,500時間照射後の顔料色についても,分光反射率曲線,Yxy値変換H.V.C値により表示し,変退色色差を照射前後の・E値(Lab系)によって示した。 変退色結果については,基準照射時間を100時間と定め,変退色許容度を古来より慣用された銀朱(r・1)の100時間後の変退色・E=20.0を基準とし,次の等級による格付けを試みた。その等級は,A<3.0,B<7.0,C<21.0,D≧30.0の5段階である。 各級について該当試料数は,A=16,B=4,C=6,D=4,E=6であり,パープル系顔料には実用に耐えるものが少なく,イエロー系についても耐光性の良いものが少ないことがわかった。

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色漆の研究 第3報 漆用顔料のカーボンアーク灯光照による変退色試験
山内明・阿佐見徹・三木竹男
1979

透漆に顔料35種類を混合し作成した色漆塗膜の乾燥当初の色彩を測色し,分光反射率曲線Yxy値,変換H.V.C値,系統色名を定めた。また,別に視感比色値を求め,この値と変換H.V.C値との差について考察し,視感比色値はV値について高くなる傾向にあることがわかった。 顔料から色漆への色彩の変化量をGodlove退色指数(I)で求め,この指数によって顔料の漆工発色性について検討した。顔料の漆工発色性はI値により,4段階の等級に分類し,35試料についてA級(≦5);7,B級(≦10);C級(≦15)D級(>15);3の度数を得た。

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Studies on poison ivy
Gilles Dupuis
1979

The isolation and purification of poison ivy urushiol is described.The preparation of urushiol-skin protein and urushiol human serum albumin is also described.Lymphocytes from eleven donors naturally sensitized to poison ivy and from four non-sensitive individuals have been cultured for 5 days in the presence of urushiol-carrier conjugates.Lymphocytes from seven of the eleven sensitive donors responded with a stimulation index greater than 30 to urushiol-albumin conjugate.When urushiol-skin protein conjugate was used as a stimulant,lymphocytes from only three of the eleven sensitive donors responded.The results suggest that urushiol-protein conjugates can stimulate sensitive lymphocytes in uitro,although a response is not observed in every individual naturally sensitized to poison ivy.