#
143
題名
Title

漆-文化財とのかかわり

掲載文献名
Publication title
化学と工業 Vol.36 No.3 p.189-192
発行所
Publisher
日本化学会
発行年
Publish Date
1983
分類
Type
言語
Language
日本語
所蔵者
Location
京都市工業試験場
著者
Author
熊野谿 従
概要
Summary

中国での漆の歴史は数千年に及ぶという。1978年随県曽候乙の墳墓から2400年前の漆を塗った外棺,内棺がほとんど原型のまま出土された。わが国では縄文晩期(10B.C)の亀ヶ岡文化圏の遺跡から漆を接着剤や塗料に用いた装身具,木,土,石などで作った生活用具が出土されたという。Japanは漆の意味である。わが国では,中国から朝鮮をへて仏教(6A.C)と共に伝えられた漆芸が飛鳥-奈良から江戸時代,さらに近代を経て沈金,蒔絵にみられるわが国独特の技法を生んだ。 また,各地に生産材料,風土に適した漆器の製造技法が育った。漆工芸品を作り上げた精緻な技法は日本人のえい知の結晶であり,日本文化の象徴である。超耐久性材料としての漆,漆の伝統的技法の化学的意味について述べ,現代における漆材料の意義について触れたい。

データベースに収録されている文献は京都市産業技術研究所 工芸漆チームが管理しています
閲覧を希望される方はメールにお問い合わせください