#
747
題名
Title

ラッカーゼを利用した酵素反応形塗料の開発1 -天然フェノール脂質の人工硬化-

掲載文献名
Publication title
2003年度 色材研究発表会 講演要旨集 100-101
発行所
Publisher
発行年
Publish Date
2003.7
分類
Type
講演要旨
言語
Language
日本語
所蔵者
Location
京都市産業技術研究所
著者
Author
辻本 敬・宇山 浩・安藤信幸・大薮 泰・小林四郎
概要
Summary

現在の利用されている塗料は多くの場合有機溶剤を使用しており,その揮発による大気汚染が社会問題となっている。そのため,近年では水系塗料,無溶剤塗料の開発が活発化している。このような社会的背景から,常温・常圧,及び微水系で硬化塗膜を形成する漆の反応機構を模倣した酵素反応形塗料が注目を集めるようになってきた。我々はこれまで再生可能な天然資源を出発物質に用いて様々な高分子材料の合成を行ってきた。特に植物油脂やカシューナット殻液を用いて合成した塗膜は優れた膜物性と光沢性を有し,その応用が期待されている。本研究では自然界に存在するフェノール脂質の硬化による新規環境調和型塗料の開発を検討した。具体的には中国産やベトナム産,ミャンマー産の漆に含まれるフェノール脂質を用い,その硬化を行った。ベトナム産漆やミャンマー産漆は乾燥が非常に遅く,得られる膜物性も日本産漆と比較して劣っているため,我が国ではそのまま塗料として使用される場合はほとんどない。そのため,これらの安価な漆からウルシオール類似物を分離し,酵素反応形塗料の原料として利用することは再生可能資源の有効利用の観点からも意義深いと思われる。

データベースに収録されている文献は京都市産業技術研究所 工芸漆チームが管理しています
閲覧を希望される方はメールにお問い合わせください