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題名
Title

担子菌ラッカ-ゼと漆ラッカ-ゼの特異性、逆ミセル中での反応性と炭水化物部分の構造の比較

掲載文献名
Publication title
JIC勉強会テキスト(1993)
発行所
Publisher
発行年
Publish Date
1993
分類
Type
研究報告
言語
Language
日本語
所蔵者
Location
京都市工業試験場
著者
Author
小田圭昭
概要
Summary

漆は水に溶けないウルシオール(urushiol)の中に少量の水滴が分散した,いわゆる油中水滴型(water in oil型,W/O型)の入濁液(エマルション,emulsion)を構成しており,この水滴の中にはおそらく多糖,タンパク質等が分散しているものと考えられる。ラッカーゼ(laccase)は糖タンパク質であり,他のタンパク質,糖質と共に,水滴中にあると思われる。漆が乾燥固化する場合にはこのエマルション中でラッカーゼが作用し,ウルシオールの酸化を初め,各種の反応が進行する。私の研究室では,漆の乾燥機構の研究を行っているが,漆のような複雑な系の中での反応を追跡するのは難しいので,漆エマルションと同様に,水に溶けない有機溶媒中に少量の水が微細な水滴となって分散している,逆ミセル(reversed micelle)を漆のモデルとして用い,この逆ミセル中でのラッカーゼによる各種化合物の酸化を調べた。ラッカーゼとしては,以前から私どものところで研究しているヒイロタケ(担子菌の一種)の生産するラッカーゼと中国産漆のラッカーゼを用い,両者の挙動を比較した。また,両者の炭水化物部分の構造についても研究を行った。

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