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題名
Title
漆器の丈夫さについて
掲載文献名
Publication title
梅光女学院大学論集28号抜刷 平成7年3月
発行所
Publisher
梅光女学院大学
発行年
Publish Date
1995
分類
Type
論文
言語
Language
所蔵者
Location
著者
Author
寺田 晁
概要
Summary
わが国において古代遺跡の発掘品として漆塗りした節や陶器などが数多く発見されているが,それは漆塗装品の耐久性が大きいためであることはいうまでもない。約6~5千年以前の漆塗り出土物が未だにつややかな表面をもって掘り出される。水中に漬かって酸素に触れることの比較的少なかった漆膜から元の埋葬品が甲であったと判ることもある。鉄は溶けてしまっているが,漆膜だけが残ったのである。昔からの鎧・兜がみな漆塗りであったことも,漆は水,特に塩水に強く,漆を焼き付けて塗装されている南部鉄瓶の例などから熱にもよく耐えることも我々は知っているのである。このように漆器の丈夫なことはそれに接した経験をもっている人達には例外なく自明の事実として認められているのであるけれども,不思議なことにこれを化学的に定量的に証明しようとする研究は今迄に極少なかったのである。
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