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題名
Title

近世出土漆器資料の保存処理に関する問題点・3

掲載文献名
Publication title
文化財保存修復学会誌:41.88-100(1997)
発行所
Publisher
発行年
Publish Date
1997
分類
Type
資料
言語
Language
所蔵者
Location
著者
Author
北野信彦
概要
Summary

本報では,近世赤色系漆の使用顔料である朱の性質について,各種文献史料や口承資料に記載された内容を中心に検討した。まず朱の主要成分は水銀と硫黄の化合物である赤色硫化水銀である。そのため古来より天然原石を粉砕した後に水簸して回収する天然辰砂とともに,人造朱の製造が盛んであった。我が国においても江戸時代には中国から輸入した人造朱とともに中国伝来技術を基本型とした人造朱の生産が泉州堺朱座において行われ,朱漆をはじめとする大木の需要に応えていた。この製法には不詳な点も多いが,各種文献史料を参考にしてみると,(1)硫黄と水銀の配合比率(2)加熱温度(3)水簸作業の仕様(4)朱の粒度分布,等の作業工程の違いにより異なった品質と色味の朱が製造された可能性が指摘された。

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