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727
題名
Title
金色堂の環境変化と漆膜に生じた亀裂に関する考察
掲載文献名
Publication title
保存科学 38
発行所
Publisher
東京国立文化財研究所
発行年
Publish Date
1999
分類
Type
論文
言語
Language
日本語
所蔵者
Location
京都市工業試験場
著者
Author
三浦定俊,小川俊夫
概要
Summary
中尊寺金色堂の納められている保存施設は1986年から1989年にわたり大幅な改修が加えたれた。改修の結果,常に70%以上あったガラスケース内の相対湿度は65%前後に安定していた。しかし金色堂の周辺の縁板にねじれや浮き上がりが生じ,部材の接合部などでは表面の漆膜に亀裂が入った。木材や漆膜に生じた変位やひずみをモニターして,その原因を調査したところガラスケース内の湿度変化により木材が乾燥して収縮し,表面の漆膜に亀裂が生じたと考えられた。木材が厚く表面が漆に覆われているために,周囲の湿度と木材が平衡するまで予想以上に長い時間がかかっているが,この数年は気温の季節変化による影響がほとんどで,ほぼ安定したように思える。ただし漆膜と木材の間にはまだ歪みが残留していて,亀裂の進行が止まるまでにはもう少し観察が必要だと思われることがわかった。 本研究は平成7~9年度科学研究費補助金「環境の湿度変化が国宝中尊寺金色堂に与えた影響に関する研究」によった。
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