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381
題名
Title
漆の粘度と乾燥に及ぼす温度の影響
掲載文献名
Publication title
京都市工業試験場研究報告 VOL.19 p108-117
発行所
Publisher
京都市工業試験場
発行年
Publish Date
1991
分類
Type
研究報告
言語
Language
日本語
所蔵者
Location
京都市工業試験場
著者
Author
大薮泰、阿佐見徹、田川真千子
概要
Summary
現場における漆塗りの見地に立ち,漆の粘度特性と加熱処理による乾燥性の変化を中心に検討した。その結果,生漆はエマルション構造を反映して典型的な擬塑性を示した。くろめを行った透素黒目漆,黒素黒目漆はほぼニュートン性であったが朱合漆の高温域においては擬塑性を示した。温度依存について,低温域ではアンドレードの式が比較的成立するが高温域でその傾斜に変化を持った。特に朱合漆ではこの傾向が大きかった。以上の結果から朱合漆は粘度特性において特異の挙動を示すことがわかったが,その原因は油/アセトンパウダーの相互作用によるものと思われた。また朱合漆は油を添加しているにもかかわらず粘度は低下しないが,この原因はウルシオールと油の水素結合によると考えられた。 一方漆を加熱処理しても,一般にいわれるほど硬化不良を起こさないことがわかった。これは酵素反応における水和の影響と思われた。以上の結果を踏まえ,漆の粘度調製については電子レンジ利用を提案し,さらにホットスプレー法による漆塗装の可能性を見いだせた。
データベースに収録されている文献は京都市産業技術研究所 工芸漆チームが管理しています
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