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題名
Title

漆塗膜に関する研究(第4報)漆塗膜の硬化に及ぼす電解質の影響

掲載文献名
Publication title
色材協会誌 Vol.48 p70-75
発行所
Publisher
色材協会
発行年
Publish Date
1975
分類
Type
報文
言語
Language
日本語
所蔵者
Location
京都市工業試験場
著者
Author
見城敏子
概要
Summary

漆の硬化に及ぼす電解質の影響を知るために,塩化ナトリウム,塩酸,硫酸,リン酸,シュウ酸,酢酸,炭酸ナトリウムを種々の濃度で漆に加えてポリエチレンシート上に塗布し,20±1℃,相対湿度75%±2%の条件下における漆塗膜の乾燥性を塗膜のpH,IRスペクトル,UVスペクトルを測定して検討し,以下の結果を得た。   (1)得られた各塗膜のIRスペクトルから993cm‐1(共役トリエン)と985cm‐1(共役ジエン)の吸光度比 D993/D985を計算した。漆塗膜はすべてこの吸光度比D993/D985=1.2以上になるとき指触乾燥することを見いだした。従ってD993/D985=1.2の時間t1で漆塗膜の硬化性を議論することが可能であることを知り得た。   (2)炭酸ナトリウムは他の電解質と異なる挙動を示し,9.45m mol/kg漆の添加で塗膜の硬化時間t1は漆単独に比べて1/4に短縮する。   (3)塩酸は漆塗膜の硬化阻止能力が最も強く,6.85m mol/kg漆程度の少量を加えても硬化時間t1は漆単独の場合の14倍も長くなった。   (4)中性の塩化ナトリウムは85.4m mol/kg漆以下の添加量では漆塗膜の硬化時間t1に悪影響はないが,171m mol/kg漆の添加により

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