#
635
題名
Title

漆塗膜の動的粘弾性(第2報) 熱処理による動的粘弾性の変化

掲載文献名
Publication title
木材学会誌 Vol.44 No.5 p.327-331
発行所
Publisher
木材学会
発行年
Publish Date
1998
分類
Type
一般論文
言語
Language
日本語
所蔵者
Location
京都市工業試験場
著者
Author
小幡谷英一・大野善隆・梅村研二・則元京
概要
Summary

漆塗膜の貯蔵弾性率(E′)は、50℃以下の温度ではほとんど変化しなかったのに対して、100℃以上の温度においては時間とともに急激に増加した。初期段階におけるE′の増加速度は、温度とともに増加した。また、150℃以上では、塗膜が時間とともに顕著に収縮した。種々の温度で12時間熱処理した漆塗膜の損失弾性率(E″)には、100℃から200℃の間および-140℃付近にピークが認められ、それぞれα、β緩和と名付けられた。α緩和は、漆膜分子鎖のミクロブラウン運動に帰属された。α緩和の温度位置は250℃で熱処理されたものが最も高かった。また、α緩和のE″ピーク値および見かけの活性化エネルギーは、200℃の熱処理によって最小となった。これら結果から、200℃以下の処理によるα緩和の変化は主として分子間の架橋や重合に起因し、250℃以上の処理による変化は塗膜の分解に起因すると推察された。

データベースに収録されている文献は京都市産業技術研究所 工芸漆チームが管理しています
閲覧を希望される方はメールにお問い合わせください